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「もののけ姫」の舞台「鹿児島・屋久島」で、首折れサバとトビウオを食す!【リーマントラベラーの日本旅メシ図鑑 #02】


平日は広告代理店で働きながら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」の東松寛文です。旅好きが集まる『リーマントラベルサロン』を主宰しています。

今回は『リーマントラベルサロン』のメンバーと共に、日本のご当地でしか食べられない食文化、食材などをレポートします。日本を旅する読者のために、各都道府県でもっともおすすめな「旅メシ」を推していきたいと思います。キャンプに行く時に「地元の食材を使った料理を作りたい」「帰り道に地元のおいしいごはんを食べて帰りたい」という人も多いと思いますので、キャンプや旅の参考になれば嬉しいです。

■出会えたら奇跡!屋久島限定「首折れサバ」
東松:今回は、鹿児島県についてのタレコミをくれたサロンメンバーの岸さんにお話を伺います!2021年2月に訪問し、それを食べるためだけにもう一度屋久島に行きたいくらいの食材と出会ったとか。

『リーマントラベルサロン』のメンバーの岸さん

岸:そうなんです。私はこれまで「未知なる食」を求めて、仕事と子育てのかたわら、国内35都道府県、世界28か国を旅してきました。それまでの旅で出会った絶品グルメと比べても、屋久島限定の「首折れサバ」は本当に絶品でした!ゴマサバの首を折って冷やしたものを「首折れサバ」と呼ぶんですが、屋久島で伝統的な食べ方だそうです。鮮度が落ちるのが早いサバを刺身で食べるためのとっておきの方法で、島外不出のサバなんですって。

「首折れサバ」のお刺身。宮ノ浦地区「若潮」にて

(URL:https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460501/46000288/

東松:美味しそうですね!しかも屋久島でしか食べられない。うらやましいです!
ちなみに、島内のレストランであれば気軽に食べられるんですか?

岸:いえ、地元の方に聞いたら“出会えたらラッキー”くらいの希少メニューなんだそうです。お寿司屋さんや居酒屋さんなどで、その日に仕入れがあったらあるかも……くらいだとか。スーパーに売っているものでもないそう。ちなみに私、実は屋久島に着いてから首折れサバの存在を知ったので、宿のご飯を朝夕食付きにしていたんですよ。でもガイドさんも“間違いない”と言うし、知ったからにはどうしても食べたい!と思って。夕食が待っているのに「首折れサバありますか!?」と、近くのお寿司屋さんに飛び込んじゃいました(笑)。
でも本当に新鮮で美味しかったので、行ってみてよかったです!

東松:その行動力、素敵です!夕食が2回になっても食べる価値ありということも、よくわかりました(笑)。いずれにせよ、予約しておくというよりは、現地に着いたら早めに問い合わせてみるのが良さそうですね。

■民宿ごはんも外せない。定番の「トビウオ」を姿揚げで
岸:私は旅先でも食べ物にこだわりたいタイプなので、宿を探すときはご飯について徹底的に調査しました。屋久島名物が豊富に食べられて評判がよかった「民宿やくすぎ荘」さんを選んだら、朝食も夕食も絶品で、ご飯付きのプランにして大正解でしたね。
品数がとても豊富だったのですが、中でも屋久島名産のトビウオの姿揚げが美味しかったです!骨までカラッと揚がっていて、頭から尻尾まで丸ごといただけました。

トビウオの姿揚げ。宮ノ浦地区「やくすぎ荘」にて

URL:http://yakusugisou.com/

東松:鹿児島名物、トビウオ。漁獲量も全国一位なので、間違いないですね!

岸:姿揚げと合わせて、トビウオの卵(とびっこ)もいただいたのですが、美味しかったです。味は、とにかく“あっさり”していて、独特の食感です。淡白なので、魚卵と言ってもしつこい感じではありませんでした。

トビウオの卵。宮ノ浦地区「やくすぎ荘」にて

URL:http://yakusugisou.com/

東松:普通のお寿司やさんで見かけるとびっこは着色されていて赤いので、新鮮な見た目ですね。美味しそう。トビウオの旬は春(3〜5月)なので、ちょうどこれからが旬!トビウオを目がけて行くのも良いですね。

■パワースポットはもちろん、山も海も川も【アクティビティ】
東松:そういえば、屋久島は何を目当てに訪れたんですか?

岸:縄文杉を人生に一度は見てみたかったんです。そうしたら、ちょうどいい節目のタイミングが来たので、「縁起が良いときにパワースポットに行っちゃおう!」と思いまして。屋久島は島全体がパワースポットだと言いますしね。鹿児島(屋久島)は初めてでしたが、楽しめました。

東松:一番印象的なのは縄文杉ですか?

岸:もちろん縄文杉も素晴らしかったんですけど、白谷雲水峡の途中にある「辻の岩屋」がとても神秘的でした!少しルートを外れないと行けないのですが、それでも行く価値あり!「もののけ姫」に出てくる山犬モロの住処のモデルとなった場所とも言われています。

辻の岩屋

岸:ガイドさんが「こだま(アニメ・もののけ姫に出てくるキャラクター)」の人形をいくつか持ってきてくださって、“映える”写真を撮ったのも楽しかったです。

ウィルソン株付近にて

東松:おお、確かにこれはすごいですね!

岸:私が行ったのは2月の終わりでまだ冬だったので、オフシーズンということもあって、いろんな角度から写真をたくさん撮れるくらい空いていました。縄文杉は”人の渋滞がすごい”と聞いていたのですが、歩きやすかったですし、景色を楽しみやすかったです。

冬なので食べ物の旬がずれたり……ということもありますが、オンシーズンはマイカー規制があって荒川登山口までは一度バスに乗り換えなければいけないところ、2月までは荒川登山口の駐車場までマイカーで行けるんです。かえってオフシーズンの方が駐車場からすぐ入山できるので、効率がよかったですね。雪のある屋久島は2月だけですし、そういった意味でもよかったです。

東松:なるほど。2月なら台風の心配もない季節ですし、あえて少しずらしてみるのも良いですね。とはいえ、2月だと海はまだ寒い時期でしたか?

岸:ウェットスーツを着たら大丈夫でした!しかも、船にも乗ることもなく、近場の海にふらっと歩いて入っていったらウミガメと泳げるスポットがあるんですよ。ガイドさんによると、人間に慣れているので逃げていくこともないし、80%くらいの高確率で見られるとか。もちろん「カクレクマノミ」などの魚もいて、カラフルな魚は見ているだけで楽しかったです。

東松:いいですね!ウミガメの産卵ピークは6月なので、その時期に見に行くが定番だと思っていましたが、ウミガメと一緒に泳ぐ体験もしてみたいです。

一湊海水浴場付近にてウミガメとシュノーケル

岸:あと、川でのカヤックもおすすめです〜!

安房川でカヤック

東松:綺麗……!!

■乗継ぎ・鹿児島空港でシメの「鳥刺し」も忘れずに
岸:ところで、今回の屋久島・一人旅は3泊4日の行程だったんですが、時間の都合もあって、鹿児島から屋久島に向かうのに、フェリーではなく飛行機を利用したんです。

そうしたら、鹿児島空港近くに、屋久島にいく前でも後でも“ととのう”ごはん屋さんを見つけまして(笑)。空港から歩いて10分なので乗り継ぎの合間にサクッと行けるのですが、ここの新鮮な「鳥刺し」が最高でした!

鳥刺し 食楽々(くらら)にて(鹿児島空港そば)

URL:https://tabelog.com/kagoshima/A4603/A460301/46007548/

東松:美味しそうですね!

岸:正直、乗り継ぎの飛行機を一本送らせてでも行く価値ありです(笑)。お肉屋さんが経営されているお店なので、新鮮さは間違いないし、鹿児島県内でも老舗で大人気だそう。私が行ったときは、開店と同時にお客さんがなだれ込む勢いでした。
お店に入ったら、みんな鳥刺しを注文してましたね。定食やチキン南蛮もあるのですが、他の定食に鳥刺しをハーフで付けることもできるみたいです。

隣にお肉の販売店もあるので、お店で食べて美味しいと思ったら自宅宛に送ることもできちゃいます。とてもお値打ちで、販売品だと一パック500円くらいでした。

東松:鹿児島空港って外に足湯もありますし、すごく満足してから屋久島に行くか、旅の最後のシメで楽しむか迷うくらいですね(笑)。僕も次回は鳥刺し、忘れないで食べてこようと思います。

今回は鹿児島・屋久島の美味しい旅メシのお話を、ありがとうございました!

■海外旅行に行けない今でも、味わえた非日常

「リーマントラベラーの日本旅メシ図鑑」第2回はいかがでしたでしょうか。リーマントラべルサロン・メンバーの岸さんは、普段から海外旅行によく行かれている方。それでも“非日常”が味わえたという話をされていて、山も海も川もある屋久島だからこその体験だったのかなと感じました。そして、現地でしか食べられない食事。美味しいものは特別感をアップさせてくれますね。

ソーシャルディスタンスをとって旅を楽しみたい今こそ、大自然がある屋久島旅はおすすめできるのではないでしょうか。
それでは僕も、各地の“旬”を探し求めて、また次の地域へ行ってきます!

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