日本のフードカルチャーガイド

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漫画「ゴールデンカムイ」の舞台「北海道・網走」でシラウオ・タチ・キンキを食す!【リーマントラベラーの日本旅メシ図鑑 #01】

 


皆さま、はじめまして!平日は広告代理店で働きながら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」の東松寛文と申します。

これまで旅した場所は、世界70カ国159都市。3ヶ月で世界一周もしました。そんな世界中を旅する中で気づいたことは「やっぱり日本が最高!」ということ(ちなみに日本も47都道府県を全て制覇しています)。綺麗な景色がたくさんあって、人も優しく、治安もいい。そして何より、ご飯がめちゃくちゃ美味しい!そんなことを考えていた中で、ソトレシピさんが旅を通じて日本の食文化の魅力を発信する「ソトレシピLOCAL」というプロジェクトを始めるということを耳にし、このたび旅メシ連載をもたせていただくことになりました。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、私が担当する連載はというと…題して「リーマントラベラーの日本旅メシ図鑑」 。世界中を旅した結果、「日本のご飯が最高!」と思った私が、日本のご当地でしか食べられない食文化、食材などをレポート。日本を旅する読者のために、各都道府県でもっともおすすめな「旅メシ」を見つけていきたいと思います。キャンプに行く時に地元の食材を使った料理を作りたい、帰り道に地元のおいしいごはんを食べて帰りたい、という人も多いと思いますので、キャンプや旅の参考になれば嬉しいです。

コロナで世界を気軽に旅することはできなくなってしまいましたが、こんな機会だからこそ日本を旅して、日本の「旅」と旅の醍醐味である「食」を再発見して、皆さんにお伝えしていきたいと思います。

■せっかくなら、そのとき旬のものを食べる!

「リーマントラベラー」たるもの、休みが取れる日程は自ずと限られてきます。もちろん週末休みですが、もう少し旅先を満喫しようと思うと、連休に合わせたり、夏休みや年末年始を活用したり、有休を取得したり……。「どこに行く」より「いつ休む」が先に決まるリーマントラベラーの方は多いのではないでしょうか。

「いつ休む」が先に決まるからこそ、僕が旅を楽しむために決めているルールは”その時にしかできないことを楽しむ”こと!その休みだからこそできることが見つかれば、「あぁ、ここしか休めなかったなぁ」ではなく「ここで休めてよかった」と満足度が一気にアップ!これはぜひとも皆さんに真似して欲しい、旅の満足度を上げるテクニックです。

具体的にはその時にしかやっていないお祭りやイベントを探したりするのですが、一番手っ取り早い方法は「そのとき、旬のものを食べる!」こと。どこの街へ行っても、旬のものが何かしらあります。それに絞って旅すれば、満足度がぐんぐん上がります!

「でも、やっぱり定番も食べたくない?」

もちろん食べたいです(笑)ですので、その土地の定番も押さえつつ、旬のものを探して旅をしましょう!

■漫画「ゴールデンカムイ」でおなじみの北海道・網走の旅メシ!

それでは早速、実践編!ということで「日本旅メシ図鑑」第1回は、「北海道・網走」。11月に旅して出合った”旬のもの”たちを紹介していきます。

初めての網走。北海道で言うと、札幌は何度も行ったことがありますが、網走は今回が初めて。網走と言えば、やはり最初に思い出すのは網走監獄!あとは、オホーツク海、流氷……、海産物でしょう(笑)。11月だとまだ流氷の季節は先(1月〜3月頃)なので、まずは定番の博物館 網走監獄を目指し(予想以上に広くて面白い!特に漫画『ゴールデンカムイ』好きにはたまらないスポットです)、近くの北方民族博物館へも立ち寄ります(アイヌはもちろん、グリーンランドからスカンジナビアまで世界中の北方民族の暮らしが展示されていて、世界旅行気分が味わえます。個人的には網走監獄よりテンション上がりました)。それが済んだら……あとはご飯を食べまくりましょう。

■網走といえばやっぱり魚!時期で異なる“今食べるべき”魚たち

オホーツク海に面した網走だからこそ、当然、魚はマストです。しかし、その季節季節でもちろんベストな魚が変わってくるので、ぜひとも”今食べるべき魚”を狙いたいところ!そのテーマでベストを探し求めたところ、今回の旅ではこんな魚たちに出合うことができました。

①シラウオ
北海道内で漁獲されるシラウオのほとんどが網走湖産のものでしたが、大雨などの影響で個体数が減り、2016年から網走湖での漁が中止されていました。そんな網走湖産のシラウオですが、2020年から漁が再度解禁!網走湖産のものを食べられるようになりました。これは、食べるしかないでしょう!

シラウオの刺身と天ぷら

ちなみに最近の研究では、網走のシラウオは春に網走湖内で生まれ育ち、秋に海で越冬して、春に再び網走湖へ戻って産卵することが確認されているそうです。

②タチ(白子)
冬といえば、タチでしょう。北海道では白子のことを「タチ」と呼びます(マダラの白子は真タチ、スケトウダラの白子は助タチとも呼ばれるそう)。網走港では、良質なマダラが水揚げされ、マダラは12月〜春先が産卵期になるため、その直前の時期からが一番のタチの食べ頃。11月はまさにベストな時期と言えるでしょう。

タチ

とにかく濃厚でクリーミー。美味しすぎます。他にも鍋やお寿司の軍艦巻きなどでも味わうことができます。痛風になってでも(!?)食べたい逸品です。

③キンキ
太平洋やオホーツク海の深海に住むキンキ。標準和名ではキチジ(漢字では「喜知次」と書くため、縁起が良い魚!)ですが、北海道ではキンキ(網走ではメンメとも)と呼ばれています。主に4月〜12月に獲られ、一年中が旬とも言えるキンキですが、網走は漁の方法が他の町と異なるので、網走で食べる価値アリなのです!

というのも他の地域では網で捕獲するため、水揚げする際にどうしても魚体が傷ついてしまいます。しかし、網走では延縄(はえなわ)漁という漁法で、魚が傷つかないように釣り上げているため、そのため、めちゃくちゃ美味しいのです!この「きちじ延縄漁」を許可されているのは網走だけなので、ここでしか食べられないと言っても過言ではないでしょう。脂がたっぷり乗ったキンキは本当に絶品!こちらも忘れず食べてください。

■網走のシメは流氷とのコラボレーション!?

今回、これらの旬の食材を味わったのは網走市内の「おっ!伝」と言うお店。大将のおまかせコースを予約しておけば、その時の旬のものしか出てこないので、間違い無いでしょう。上記食材以外にも、イバラガキやタラバガニ、シジミ(網走のシジミはめちゃくちゃ大きい)、そして新鮮でないと刺身としては美味しくないニシンなど、今しか食べられない&ここでしか食べられない食材を生かした料理をいただきました。最高すぎるので、本当にオススメできるお店です。

そして、お腹いっぱいになったら、知人に教えてもらった網走ならではのシメが体験できるバーへ。その名も、「THE EARTH(ジアス)」。先程のお店から徒歩数分のところにあります。ここではなんと、流氷を使ったカクテルが楽しめるのです。

流氷カクテルの氷として使われる本物の流氷
流氷カクテル

ロシアのアムール川の河口でできた氷となり、どんぶらこどんぶらこと南下しながら成長して、網走まで流れ着いた流氷。その流氷を凍ったまま保管し、お店ではカクテルの氷として振る舞われるのです。確かに、遥か奥にロシアの味を感じる……気もします。さらにこの流氷カクテルが面白いのは、流氷は空気を含んで凍っているため、カクテルの中で解けていく際に、シュポ……シュポ……と流氷の声が聞こえるのです!お店を訪れたら、流氷カクテルをオーダーして、(側から見ると変なポーズをしているようにしか見えませんが)ぜひカクテルに耳を近づけて流氷の声を聞いてみてください。

■流氷を見るなら、いつが旬?

そんな風に流氷を体験したら、やはり生の流氷を見たくなります(笑)。網走で流氷を見ようと思うと、毎年2月中旬頃から3月上旬頃が一番みられる確率が高いそうです。ただし、流氷は“生き物”なので、昨日見られたとしても、必ず今日見られるとは限りません。ですので、余裕を持って渡航するのが良さそうです。また、網走以外にも、紋別や知床でも流氷を見ることができます。網走や紋別では基本的には流氷を眺めるのがメインだそうですが、知床まで行くと流氷の上を歩いたり、流氷の下を潜ったりするアクティビティを体験することができます(漫画『ゴールデンカムイ』にも出てくるシーンを再現できます!笑)。このアクティビティは、まさにここでしか味わえないものなので、ぜひとも体験したいですね。

「リーマントラベラーの日本旅メシ図鑑」第1回はいかがでしたでしょうか。初めての網走。その時しか味わえない“旬”に重きを置いたからこそ、今しかできない旅を実現でき満足度がめちゃくちゃ高く、さらにまた違う時期にも別の旬を求めて旅したいなと思える旅となりました。

それでは、各地の“旬”を探し求めて、また次の地域へ行ってきます!

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