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実は茨城が「日本一キャンプ場が多い県」って知ってた? 焚き火料理の達人・長野修平さん考案! 茨城県産の食材を使った豪快キャンプ料理

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今回は茨城県にある「アスパイヤの森キャンプ場」でキャンプをしながら、地元の食材を使った焚き火料理を教えていただきました。実は、茨城県は全国でもっともキャンプ場が多いとされている“隠れ”キャンプのメッカ。自然豊かなキャンプ場で長野さんが作る、カンタンなのにボリュームたっぷりの絶品キャンプ料理とは?

暮らしに必要なあらゆるものを自然素材で作るネイチャークラフト作家であり、ソトレシピシェフとしても大人気の長野修平さん。今回は茨城県にある「アスパイヤの森キャンプ場」でキャンプをしながら、地元の食材を使った焚き火料理を教えていただきました。ボリュームたっぷりで絶品なのに実はカンタン! みなさんもぜひ試してみてくださいね。

「肉のイイジマ」「つちっこ河和田」で肉や野菜を購入

今回、長野さんがメイン食材としてセレクトしたのは、茨城県のブランド豚「常陸(ひたち)の輝き」。旨みが強くてやわらかく、香りのいい豚肉として人気です。訪れたのは、昭和38年創業の老舗精肉店「肉のイイジマ」。

今回は肩ロースのブロックと厚切りロースを購入。料理のイメージをお伝えすると、最適な部位や切り方を丁寧に提案していただきました。つややかなお肉がとってもおいしそう!


代表の飯島充さんとお店の前で。茨城県のブランド牛「常陸牛」をはじめ、お肉や野菜を使ったお惣菜もたくさん並ぶ店内は、地元のお客さんで賑わっていました。

肉のイイジマ

次は、同じ岩間街道沿いにある農産物直売所「つちっこ河和田」へ。四季折々の朝採り野菜のほか、果物、米、加工品などがずらりと並びます。イチゴ狩りやそば打ち教室など、消費者と生産者の交流を深めるイベントも開催しているとか。

ここでは水戸市吉沼町産の立派な白菜や、リンゴ、玉ねぎなどを購入した長野さん。一体どんな料理になるのでしょうか?

つちっこ河和田(上中妻地区農産物直売所)

 

「アスパイヤの森キャンプ場」でテントサイト準備

「アスパイヤの森キャンプ場」はその名のとおり、森の中にある自然豊かなキャンプ場。キャンプやBBQの設備はもちろん、スケートボードパークやボルダリング施設もあります。もともとゴルフ場だった土地をキャンプ場にしているため、平坦に整備されたエリアが多くテントを張りやすいのが嬉しい!

いつも現地に着いてから設営するテントを選ぶという長野さん。この日チョイスしたのは、以前手作りしたという帆布製のティピーテント(インディアンテント)。ネイティブ・アメリカンが住宅として使っていた、円錐型が特徴のテントです。

支柱からペグ、布をとめるピンにいたるまで、すべて自然の中で手に入れた木を利用。支柱の先にはフクロウの羽をつけて風を見ます。テント内にPETROMAXの薪ストーブを設置し、天頂部の隙間から煙突を出せば、たとえマイナス10℃の極寒でもポカポカに暖まるそう。

焚き火台のまわりには木の三脚を立て、風で倒れないように中央にダッチオーブンを下げます。ケトルを下げているのは鹿の角、ラグとして敷いているのはトナカイの毛皮。便利さだけでなく、寒さに耐え忍ぶ動物の生命力にあやかる意味も込めて使っていると言います。

それにしても、愛車のCARAVANからめずらしい道具が次々とあふれ出てくる様子は、見ていてとてもワクワクしました!

「肉のイイジマ」「つちっこ河和田」でゲットした茨城県産の食材を使って、いよいよ料理です!

白菜をまるごと使った主役級料理
「豚肉の白菜包みロースト」

【材料】
豚ブロック肉(お好みで肩ロースorバラ)、白菜、ニンニク、三つ葉、ごま油、塩、こしょう

【調理器具】
ダッチオーブン(8〜10インチ)、ナイフ、ビニール手袋

【調理時間】
1時間

【作り方】

①白菜の中心部分の葉をナイフで取り除き、豚肉を詰めるスペースを作る。
<POINT!>
まず、芯を下にして白菜を立て、外側の葉を何枚か花のように押し広げます。残った中心部分の葉の根もとに熱湯をかけてやわらかくしてから、ナイフで切り落としましょう。通常捨てる外葉は残したままでOK。

②豚ブロック肉に、おろしニンニクと塩こしょうをたっぷり擦り込む。
<POINT!>
ビニール手袋をすれば手が汚れず、洗う手間が省けます。

③白菜の中心部分のスペースに②の肉を置き、外側の葉をかぶせて包み込む。

④ダッチオーブンに③を入れて上からギュッと押し込み、蓋をして上下の火で全体を加熱する。
<POINT!>
加熱すると白菜がしんなりしてくるので、最初は蓋が閉まらなくてもOK。

⑤水蒸気が出てきたら火を少し弱め、40分〜1時間ほどスチームローストする。

⑥ごま油と塩を混ぜてタレを作る。おろしニンニク、おろし生姜、刻み三つ葉も薬味用に用意。

⑦蓋をはずし、白菜の上部をめくって肉の中心に串を刺す。透き通った汁が出てきたら、お好みにカットしてダッチオーブンから引き上げて完成!
<POINT!>
アツアツの蓋の上に置いておくことで冷めにくく、火の通りが多少甘くても余熱で加熱できます。

ケーキのようにカットして見た目も豪華に! ダッチオーブンで上下からじっくり加熱することで、豚肉はジューシーに、白菜は芯まで食べられるくらいやわらかく仕上がります。ごま油+塩の万能タレとの相性がまた抜群。

「シンプルな味つけなので、余ってもほかの料理にアレンジしやすいですよ。いつも自宅で料理するときも、大量に作っていろいろアレンジします」(長野さん)

3つの食材でお肉をやわらかく!
「豚ロースとリンゴのソテー」

【材料】
厚切り豚ロース、リンゴ、玉ねぎ、オリーブオイル、バター、白ワインor洋酒、ほうれん草、塩こしょう

【調理器具】
スキレット、蓋、トング、スパチュラ、肉叩き棒、ナイフ

【調理時間】
20分

【作り方】

①豚ロースを筋切りして叩き、おろした玉ねぎに30分漬け込んでおく。
<POINT!>
玉ねぎはすりおろしながら直接お肉に振りかけることで、洗いものが増えません。塩こしょうは先にせず、焼いたあとにしたほうがジューシーに仕上がります。

②リンゴは皮つきのままくし切りにする。
<POINT!>
リンゴは酸味と甘味のバランスがいい品種がおすすめ!

③オリーブオイルとバターを熱したスキレットに、豚ロースとリンゴを入れてソテーする。
<POINT!>
バターはリンゴやほうれん草と相性がよく、入れると風味がグッと高まります。あっさり食べたい人はオリーブオイルだけでもOK。

④片面に焦げ目がついたら裏返し、ワインor洋酒を入れて蓋をしてスチームソテーする。
<POINT!>
玉ねぎ、リンゴ、ワインの3つの食材のパワーでお肉がやわらかくなります。

⑤仕上げに塩と粗挽き黒こしょうを豚ロースに振り、5センチにカットしたホウレン草を入れ蓋を戻し火を止めて予熱で1分加熱して完成!

バターの風味がきいた豚ロースは、3つの食材の効果でとってもやわらか。リンゴやほうれん草ともよく合います。「北海道出身だからなんでもバターを入れるんですよ。味噌汁や納豆にも」(長野さん)

長野さんも以前はサラリーマンだった!?

北海道苫小牧市の山菜料理店に生まれ、幼いころから自然や料理がそばにある暮らしをしてきた長野さん。でも実は、ネイチャークラフト作家として活動する以前は、会社勤めをしていたこともあったとか。

「東京の大学を出て、飲食を学ぶために銀座のしゃぶしゃぶ店で働いたあと、一旦実家に戻って料理店を手伝っていたんです。再上京してからはPR会社に3年勤めました。企業のPR記事を掲載するために新聞社と打ち合わせしたりね。そのあとフリーのPRコンサルタントになって、仕事の合間にネイチャーラフトやブッシュキャンプをやるようになった。『いつか自分自身をPRしたい』と思いながらやってましたね」

自身で身につけていたお手製の木の実のアクセサリーが好評で、人に作り方を教えるようになったことがきっかけでアトリエ「NATURE WORKS」をスタート。現在は相模原市に建てた半セルフビルドの家でご家族と暮らしながら、自然とともに生きる喜びを多くの人に伝えています。

「日常とキャンプの境目がないんですよ。僕にとってキャンプは家事みたいなもの。毎日やるたびに家事の仕方をレベルアップさせていくのと同じで、キャンプのたびに新しい道具をひとつ作ってレベルアップさせていくのが楽しいんです。道具はとっかえひっかえせず、一度作ったものは長く使います。使いこなしてこそ自分のものになると思うので。手間がかかる道具のほうが愛着がもてて好きですね(笑)」

長野さんのキャンプ道具は、そのすべてにストーリーがあり、使う素材にも理由があります。自分がもっている道具一つひとつと改めて向き合ってみることで、新しいキャンプの楽しみ方に出会えそうな気がしました。

夜は満天の星! 冬の星座、オリオン座もきれいに見えました。豊かな自然に囲まれ、焚き火の暖かさを感じながら、地元食材を使ったキャンプ料理をゆっくりと楽しむ。そんな贅沢をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

アスパイヤの森キャンプ場
所在地:茨城県水戸市有賀町1805
アクセス:常磐線自動車道 水戸ICより車で約10分、常磐線内原駅下車 タクシーで約7分
アスパイアの森キャンプ場HP

いばらきキャンプ|茨城県公式・キャンプ場情報ポータルサイト

Writer
三橋温子
Photographer
原田真理
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